原材料高騰で高まるはんだペーストのコスト負担|使用効率向上でコストを削減するディスペンサー活用

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武蔵エンジニアリング株式会社

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この記事について

近年、地金価格の高騰により、はんだペーストの価格も上昇しています。
代表的な鉛フリーはんだであるSAC305では、スズ・銀・銅の価格上昇を背景に、2020年比で3倍以上の価格上昇が見られます。消耗材であるはんだペーストの価格上昇は製品単価にも影響を及ぼすため、コスト上昇への対応が求められています。
一方で、はんだペーストはエレクトロニクス分野にとどまらず、幅広い電子部品の生産に欠かせない材料であり、品質を維持しながら使用量を大きく減らすことは容易ではありません。

本記事では、はんだペーストの塗布工程において、材料を無駄なく効率よく使用することで、価格上昇によるコスト増を抑えるディスペンサーの活用法を、印刷工程との比較を交えてご紹介します。

目次

はんだ塗布とは?

はんだ塗布とは、電子部品の電気的接合に必要なはんだを、プリント配線板(基板)などの必要な個所へ適切な量で配置する工程です。はんだ塗布でははんだペーストが主に用いられ、印刷機やディスペンサーによって塗布されます。

はんだ塗布方法

①印刷機(スクリーン印刷)による塗布

印刷機では、塗布パターンに合わせて開口している印刷用マスク(以下マスク)の上にはんだペーストを供給し、スキージで押し込むことではんだペーストを配置するため、一度に広範囲で塗布が可能な一方、塗布量をマスクの厚みでコントロールするため、塗布の厚み(塗布量)を変更するのが困難です。

②ディスペンサーによる塗布

ディスペンサーでは、塗布量を自由自在に変更できる一方、塗布箇所が多い場合は時間がかかります。

はんだ塗布方法 印刷機とディスペンサー比較

塗布方法 メリット デメリット
印刷機 スクリーン印刷によるはんだ塗布
  • 一度に広い範囲を塗布可能
  • 高速処理が可能
  • 少品種大量生産が容易
  • マスクに残る分の材料ロスがある
  • 塗布形状やレイアウトに制約がある
  • ワーク品種ごとにマスクが必要
  • 凹凸などへの塗布対応が難しい
ディスペンサー ディスペンサーによるはんだ塗布
  • 材料の使用効率が良い
  • 塗布量と塗布形状(パターン)の変更が容易
  • 凹凸のある基板への塗布が可能
  • 少量多品種生産が容易
  • 広い範囲への塗布に不向き
  • 大量処理は時間がかかる

上記のメリットデメリットから、印刷機とディスペンサーは生産仕様やワーク形状によって使い分けが必要です。

項目 印刷機 ディスペンサー
対象ワーク はんだ箇所が多く
塗布量が一定の基板
はんだ箇所が少なく
塗布量が異なる基板
ワーク形状 平面 平面・凹凸
向いている用途 少品種大量生産 少量多品種生産
材料ロス 多い 少ない

表のように使い分けることも重要ですが、生産工程によっては印刷機とディスペンサーの両方を使用する場合もあり、製品や工程に応じて最適な方式を選択、組み合わせることが必要です。

ディスペンサーによるはんだ塗布の課題

ここまではんだの塗布方法について紹介しましたが、ディスペンサーでのはんだペーストの塗布は、下記の課題により継続した安定塗布が難しいとされています。

  1. はんだペーストの配合や、はんだ粒径によって塗布しやすさや安定性が異なる
    一言にはんだといっても、性能や目的によって配合が変わるため、塗布性が全く違います。
  2. はんだ粒子がノズルで詰まりやすい
    はんだペーストにははんだ合金の粉末が多く含まれているため、微小塗布で細いノズルを使用すると詰まりやすくなります。
  3. 非接触吐出の制御が難しい
    上記のはんだの性状から、特にジェットディスペンサーでの定量・継続・安定塗布が難しいです。

当社では、これらの課題を解決する、世界で初めてはんだペーストの非接触での安定塗布を実現した「HyperSolderJet」を開発しました。

当社の新ソリューション
ソルダーペーストジェットディスペンサー
「HYPER SOLDERJET®」

「HyperSolderJet」は、はんだペーストを非接触で安定吐出できるジェットディスペンサーです。詰まり要因を徹底解析し、独自構造と新技術によって安定した微小塗布を実現しました。また、はんだペーストの配合差に応じた塗布条件の最適化により、安定性を高めています。この技術は粒子を含むペーストにも応用でき、AgペーストやAuペーストでも非接触塗布に対応可能です。 ​

また、詰まりに強いだけでなく、φ100μm(1mmの10分の1)の打点塗布という、目視では判別できない超微小領域での塗布を実現しています。

Type8 φ100μm
100万ショット後

この塗布技術は、スマートフォンやPCの電源回路、車載電子機器に用いられるダイオードのクリップマウントにおいて、狭ピッチ部でのはみだし防止やブリッジ防止など、高精度が求められる塗布に対応しています。さらに、精度要求の高い水晶素子の実装工程にも活用されています。

HYPER SOLDERJET®の仕様などの詳細は、下記リーフレットでご確認いただけます。

HYPER SOLDERJET®

SOLDER JET

 

レーザーはんだ付けシステムの紹介

はんだ付け

はんだペーストを用いた実装では、ペーストを塗布した後、熱で溶かして接合を行います。その代表的な手法の一つがリフローはんだ付けです。リフローは、表面実装技術(SMT)において一般的なはんだ接合方法の一つで、広く採用されています。はんだペーストを塗布した後、リフロー炉で加熱し、はんだを溶融・接合して冷却・固化させることで実装が完了します。


しかし、電子デバイスの高機能化に伴い、熱に弱い部品が使われるケースも増えています。基板全体を均一に加熱するリフローはんだ付けでは、熱に弱い実装部品の変形や劣化が起こり、完成品の不具合につながるおそれがあります。

レーザー照射によるはんだ接合

そこで、レーザーを照射した部分が局所的に発熱してはんだを溶融し、接合する「レーザーはんだ付け」が注目されています。レーザーはんだ付けは、照射部だけを局所的に加熱できるため、接合部以外への熱影響を最小限に抑えることができます。


当社では、熱による製品不良を回避するため、はんだペーストの局所塗布とレーザーによる局所溶融・接合を1システムで実現するソリューションをご用意しています。



DISPENSE
LASERMASTER

解説動画



DISPENSE LASERMASTERの仕様などの詳細は、下記リーフレットでご確認いただけます。

DISPENSE LASERMASTER

DISPENSE LASERMASTER

 

リフローはんだ付けとレーザーはんだ付けの比較

項目 リフロー レーザー溶融
加熱対象 基板全体 はんだ接合部
接合処理 一度に多くの接合が可能 個別接合
リワーク 不向き 適している
条件出し 容易(成熟技術) 難しい(材料依存)
適した用途 接合点数の多い基板向け 熱に弱い部品を含む基板への実装向け

まとめ

はんだ塗布の方式選定では、生産量や塗布精度、対象物の形状、材料特性を踏まえて最適な方法を選ぶことが重要です。近年は、実装部品や基板形状の多様化により、印刷でははんだペーストの高精度な塗布が難しいケースも増えています。これに対し、ディスペンサーは柔軟な塗布に対応できるため、さまざまな基板やワーク形状に対して安定した塗布が可能です。

また、はんだペーストの価格上昇に対しては、印刷では工程の特性上材料ロスが発生しやすいのに対し、ディスペンサーは必要な量だけ塗布できるため、材料の無駄を抑えたコスト削減が期待できます。

このように、ディスペンサーによるはんだペースト塗布は、今後さらに注目されると考えられます。 はんだ塗布に関する課題や最適な方式の検討については、長年積み重ねた塗布ノウハウを持つ武蔵エンジニアリングまでお気軽にご相談ください。

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