圧力容器とは?第一種、第二種圧力容器について違いを解説
圧力容器は多くの産業で重要な役割を果たしており、その正しい理解と安全な使用が求められます。圧力容器は主に液体や気体を高圧で保持するために使用され、化学産業、石油産業、食品産業などで広く利用されています。安全性や適用性を確保するためには、設計基準や使用方法に関する深い知識が必要です。
このコラムでは、圧力容器の種類についての説明と、当社の提案製品についてご説明します。
圧力容器の外観例
圧力容器の種類、特徴、および用途
圧力容器は大きく分けて第一種圧力容器と第二種圧力容器に分類されます。特徴を理解することで、適切な用途に応じて最適な圧力容器を選択することができます。
第一種圧力容器と第二種圧力容器の違い
第一種圧力容器と第二種圧力容器は、それぞれ異なる設計基準と規制を持つため、用途や扱う圧力に応じて適切な選定が求められます。第一種圧力容器は、高圧ガスを扱うことが多いため、設計により厳格な安全基準が求められます。例えば、化学工場のリアクターやボイラーは、高温・高圧に耐え、かつ内容物の漏れを防ぐため、第一種圧力容器として設計されます。
一方、第二種圧力容器は、第一種に比べて低圧を扱うことが多く、そのため安全基準も相応の設計が許容されます。家庭用のガスボンベや中小企業の圧縮空気タンクなど、比較的安全性が確保しやすい用途には、第二種圧力容器が適用されます。これにより、コスト面や設置のしやすさが優先されることが多いです。
このように、圧力容器を選ぶ際には、その用途や求められる圧力条件を慎重に考慮することが重要です。適切な種類の圧力容器を選定することで、安全性を確保しつつ、効率的な運用を実現することができます。高圧を扱う第一種圧力容器と、低圧で安全性を確保できる第二種圧力容器の違いを理解することは、適切な装置の選定と運用に不可欠です。
第一種圧力容器の適用区分
第一種圧力容器は、労働安全衛生法施行令第1条第5号に定める(簡易)容器及び小型圧力容器のいずれにも該当しない規模の大きい圧力容器で、製造許可をはじめ、製造または輸入、設置などの各段階での都道府県労働局などによる検査が義務付けられています。使用開始後は年に1回登録性能検査機関による性能検査が必要です。
労働安全衛生法施行令第1条第5号
次に掲げる容器(ゲージ圧力0.1MPa以下で使用する容器で、内容積が0.04m3以下のもの又は胴の内径が200mm以下で、かつ、その長さが1000mm以下のもの及びその使用する最高のゲージ圧力をMPaで表した数値と内容積をm3で表した数値との積が0.004以下の容器を除く。)をいう。
イ 蒸気その他の熱媒を受け入れ、又は蒸気を発生させて固体又は液体を加熱する容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの(ロ又はハに掲げる容器を除く。)
ロ 容器内における化学反応、原子核反応その他の反応によつて蒸気が発生する容器で、容器内の圧力が大気圧をこえるもの
ハ 容器内の液体の成分を分離するため、当該液体を加熱し、その蒸気を発生させる容器で、容器内の圧力が大気圧をこえるもの
ニ イからハまでに掲げる容器のほか、大気圧における沸点をこえる温度の液体をその内部に保有する容器
適用区分を図で表すと、次の通りになります。
(1) 最高使用圧力と内容積による区分
(2) 胴の内径と長さによる区分(最高使用圧力≦0.1MPa)
第二種圧力容器の適用区分
第二種圧力容器は、労働安全衛生法施行令第1条第7号に定める圧力容器で、(簡易)容器より規模の大きい圧力容器です。第二種圧力容器構造規格に基づく製造、製造時又は輸入時に個別検定の受検、1年に1回の定期自主検査などが義務付けられています。
労働安全衛生法施行令第1条第7号
第二種圧力容器 ゲージ圧力0.2MPa以上の気体をその内部に保有する容器(第一種圧力容器を除く。)のうち、次に掲げる容器をいう。
イ 内容積が0.04m3以上の容器
ロ 胴の内径が200mm以上で、かつ、その長さが1000mm以上の容器
適用区分を図で表すと、次の通りになります。
(1) 最高使用圧力と内容積による区分
(2) 胴の内径と長さによる区分
各種圧力容器の適用区分に関する詳細な情報は、以下のリンク先をご参照ください。
・第一種圧力容器(小型圧力容器)の適用区分(一般社団法人日本ボイラ協会)(https://www.jbanet.or.jp/examination/classification/vessel-1/)
・第二種圧力容器の適用区分(一般社団法人日本ボイラ協会)(https://www.jbanet.or.jp/examination/classification/vessel-2/)
圧力容器の設計基準と安全規制
圧力容器の設計基準と安全規制は、製品の安全性とユーザーの信頼性を確保するために非常に重要です。適切な基準や規制を遵守することで、リスクを低減し事故を防ぐことが可能になります。
国内外の規制基準と安全基準
圧力容器の設置や運用において、国内外の規制基準と安全基準に従うことが必要です。これらの規制基準と安全基準は、事故を未然に防ぎ、使用者の安全を確保するために設けられています。これに従うことでリスクを最小限に抑えることができます。
例えば、日本国内では「高圧ガス保安法」に基づいて圧力容器の検査や認証が義務づけられています。この法律により、製造・設置・使用の各段階で安全基準を満たしているかが確認され、万が一の事故防止策が徹底されます。一方、国際的には「ASMEボイラーおよび圧力容器コード」が広く認知され、多くの国で遵守されています。このコードは、米国機械技師会(ASME)が策定するもので、設計、材料選定、製造、試験に至るまで詳細な規定が定められています。
圧力容器を選ぶ際のポイント
- 使用圧力
- 容器の内容積
- 温度条件
- 使用目的と環境
圧力容器の選定は、その目的に応じた適切なサイズと材質を選ぶことが重要です。目的に合わない圧力容器を使用すると、安全性や効率性が低下し、事故のリスクが高まります。そのため、用途に適した材質を選ぶことで、長期的に信頼性の高い運用が可能になります。
例えば、化学工場では腐食性の物質を扱うことが多いため、耐食性の高いステンレス鋼の圧力容器を選ぶことが推奨されます。一方、空気圧縮機用には、軽量で耐久性が強いアルミニウム製の圧力容器が適しています。適切なサイズと材質を選ぶことで、安全性と効率性を確保し、長期的な運用が可能になります。
圧力容器の保守管理は、定期的に行い問題を早期に発見することが大切です。定期的な点検と保守作業を行うことで、圧力容器の劣化や損傷を早期に発見し、事故を未然に防ぐことができます。また、突発的な故障を防ぐことで運用コストも抑えられます。
武蔵エンジニアリングの液送タンク(圧力容器)
武蔵エンジニアリングの液送タンクは、大流量塗布の連続稼働を実現する液送タンクです。
液体材料の粘度、性質、用途に幅広く対応できるように、安全ロックタンク、ストレートワンタッチタンク、ワンタッチタンク、ガロンタンクの4タイプをご用意しています。液体材料の入れ方は直投入式と内容器式があり、容量は0.5Lから38.5Lの豊富なサイズバリエーションから、1日のご使用量に合わせて、最もふさわしいタンクをお選びください。シリンジへの液剤充填用としてもご使用いただけます。
※弊社では第一種圧力容器は製造しておりません。
液送タンクの必須構成品
タンク構成選択のポイント
※次の①②④⑦⑩は上図「液送タンクの必須構成品」の番号に対応しています。
①タンクのサイズサイズはタンク内の有効体積表記になっています。材料缶や内容器を使う場合は、その大きさが入るか、必ずご確認ください。
②フタ用OリングOリングは、投入する材料に合わせて、膨潤しづらい材質を選択してください。
④サクションパイプ⑦液送チューブ
サクションパイプと液送チューブはそれぞれ径と長さで、流量が大きく変化します。
⑩内容器用ピストン(1kg缶用)
高粘度材料の圧送に必須です。
グリスや粘性のある接着剤などの場合、ピストンを入れないとすり鉢状に材料が消費され、うまく圧送することができません。
標準仕様は一般的な1kg缶です。
内径:Φ108のサイズに合わせております。
お客様がご使用される容器に合わせた、特注製作も可能です。
※採寸のために、容器(使用済でも可)をお借りします。
簡単・安全な作業をサポートするオプション
武蔵エンジニアリングでは、これらの圧力容器についてや、圧力容器を組み込んだ塗布システムについて、お客様のご要望に沿ったソリューションの提案が可能です。
こちらからお気軽にお問い合わせください。
液送タンク 製品ラインナップ
・開閉が容易なクランプ式
・容器をそのまま入れやすいストレート構造
・複数のハンドノブクランプにより、安全にロック
・転倒防止、固定用フランジ付き
・材料を直接投入できる、内面バフ研磨
・下出し仕様と併用で、材料ロスを大幅削減
・液体材料直投入専用の簡易型タンク。
・低、中粘度液体材料の低圧圧送に最適。
・加圧時にはフタを開ける事が出来ない安全構造。
・液剤容器からシリンジへの小分けに最適
・簡単気泡レス充填
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