2液混合ディスペンサーとは?2液混合型吐出装置の基礎知識を解説!

2液混合ディスペンサーとは
「2液型ディスペンサー」「2液混合型吐出装置」とも呼ばれるこの装置は、成分が異なる2つの液体を精密に混ぜて吐出する装置です。均一な混合比率を維持するための高度な機構を持ち、製造現場において効率的な塗布作業を実現します。2液混合ディスペンサーは、塗布精度を求められる製造業において不可欠な役割を果たしています。
2液混合ディスペンサーの基本原理と特徴
2液混合ディスペンサーの基本原理は、2種類の液体を正確な比率で混合し、均一な状態で吐出することにあります。混合比率の精度を高めることは、2液硬化剤の性能を確保する上で非常に重要です。正確に混合できないと、硬化不良などの製品トラブルが生じる恐れがありますが、2液混合ディスペンサーは、そのリスクを未然に防ぐことができます。さらに、ディスペンサーによる精密かつ正確な吐出は、材料の均一性を確保し、製造工程を効率化します。
対応材料とその主な用途
2液混合ディスペンサーで塗布される液剤としては、エポキシ系接着剤やウレタン系シール剤などが挙げられます。それらの2液液剤は、高い接着強度や柔軟性が求められる用途で利用されています。
エポキシ樹脂はその電気絶縁特性により電子部品の封止や基板の保護に使用され、ウレタン樹脂はその柔軟性の高さを活かしてクッション材や密封部品への応用が見られます。それぞれ、カーエレクトロニクスやスマートフォン、建築分野などで、高い強度や耐候性を持つ接着、及び電子部品や基板の封止などで使用されています。


混合プロセスとディスペンサー・ミキサーの役割
2液混合プロセスは、2液液剤の供給と混合で成り立っています。ディスペンサーは正確な材料供給と吐出を担い、ミキサーは効率的かつ一貫性のある混合を可能にします。
高精度な混合プロセスによる精密な液体混合は、2液液剤の仕様通りの性能を実現します。ミキサーには静的ミキサー(スタティックミキサー)と回転式ミキサーがあります(画)。ディスペンサーとミキサーを組み合わせることで、さまざまな作業条件や材料に対応することができ、この技術は産業界全体で幅広く採用されています。
静的ミキサーは、主に管の中に取り付けられた特別な形状の部品で構成されています。流体がパイプを通過する際に、この部品が流体の流れを分割したり、方向を変えたりすることで、混ぜる役割を果たすことによって均一に混ざります。
電力を使わずに混ぜることができ、さらに部品に動く部分がないため、壊れにくくメンテナンスが簡単なことが特徴です。
回転式ミキサーは、細長い筒の中に「スクリュー(ねじ)状」の部品や羽根が入っていて、それを液剤に合わせた適切な速度で回転させることで2液をかき混ぜます。イメージとしては、ミックスジュースをマドラーでぐるぐる混ぜるような作業を、機械が自動でしているようなものです。
モーターの回転数を変えることで混ぜる時の強さをある程度コントロールできるため、高粘度の液体材料でもしっかり混ぜられるようにしたり、気泡の発生を抑えたりといった調整が可能なことが特徴です。
ディスペンサー導入に必要なオプションと工程の検討
2液混合と塗布を行う工程において、前述のディスペンサー・ミキサーのほか、タンクや秤量器、脱泡器など、様々なオプションが必要になることがあります。
以下は塗布に至るまでの工程の一例ですが、手作業を含む工程を前提にディスペンサーを導入する場合もあれば、全自動化を目指して製品を採用する場合もあります。実現したい手順やコストに合わせて製品をよく検討することが大切です。
※武蔵エンジニアリングでは脱泡器もお取扱いしています
手作業で混ぜて、「塗布量をディスペンサーで管理」
「計量・混合は自動化」、手作業で充填し「塗布量をディスペンサーで管理」
「計量・混合・充填・脱泡」の事前準備不要!
すぐに塗布が行える武蔵エンジニアリングの2液専用システム
2液混合ディスペンサーのタイプと特徴
2液混合ディスペンサーはさまざまなタイプがあり、それぞれに特性と利点があります。武蔵エンジニアリングでは、下記3種類のタイプをご用意しております。
静的ミキサー
- 容積計量方式
容積計量式ポンプにより、混合比の厳密な管理と高精度吐出が可能です。吐出量も体積・重量で自由に設定出来ます。高粘度液剤も吐出可能です。
- モーノ方式
連続吐出が可能で、混合比も任意に設定可能です。また、液剤の特性に合わせて接液パーツの選択が可能です。
回転式ミキサー
- ダイナミック混合方式
粘度や混合比率の差が大きい材料に適した混合方式です。混合比を体積・重量で設定可能です。
JET方式
- ミキシング部(ミキサー)を必要としないタイプです。反応性2液接着剤を使用する場合にお勧めいたします。
2液混合ディスペンサー選びのポイント
2液混合ディスペンサーを選ぶ際には、その用途や利用する材料などによる適合性のほか、吐出速度や吐出量、形状など塗布仕様も重視し、製品の仕組みや構造を十分に理解することが大切です。製品選びや仕様の決定に際しては、信頼できるディスペンサメーカーや専門エンジニアと相談し、実際の製品デモを試してみることをお勧めします。
武蔵エンジニアリングでは様々な分野・業界での導入実績があるほか、塗布テストやデモ機の貸し出し等も行っております。2液混合ディスペンサーの導入や、現在の作業工程における課題の解決を検討されている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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